閣下ボイスのオードリーⅡが大好き

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ、コロナ禍で東京のみ一週間の上演になってしまいました。
私も中止回で払戻しになったチケットがあります。しかしこの状況だと、観られただけでも良かったと思わなければ、ですね。つらい!

そんな辛く悲しい状況ですが、閣下演じるオードリーⅡが、それはもう素晴らしく可愛く魅力に溢れていたよ!って話をしたいと思います。
オードリーⅡとは?などリトル・ショップ・オブ・ホラーズの基本的な設定は知っているものとして話を進めますので、知らない方はウィキペディア先生に聞いてください(丸投げ)
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ - Wikipedia


※この記事はネタバレを盛大に含みます。


オードリーⅡは最初はシーモアが抱えている鉢植えの大きさから、最後は2m超えで人を丸飲みできる大きさまで育ちます。
形態は、①抱えられる程度の鉢植え、口(=花にあたる部分)は手を入れて動かすパペットタイプ
→②170cmくらい?口の開閉は多分腕、舌も動く。根を脚で表現する着ぐるみタイプ
→③花屋のセットを全体を覆う、動きは首(=茎にあたる部分)の向きと高さ、それと口の開閉で、ええと、動かしてるのは大道具さんかな?舞台セットタイプ

どのタイプのオードリーⅡも、花のフォルムの丸みが強く、また動きもどこか可愛らしい。
特に好きなのは②ver.でカーディガンを取りに戻ってきたオードリーを誤魔化すべく根を引っ込めて口を閉じてそっぽ向くような角度になるところ。胡座の脚で表されてる根が、腕を組んでいるように見えてかわいい。
あと③ver.でタイプライター打ってるシーモアに「腹へった!食わせろ!」って首がっしょんがっしょん動かすところ。幼児がお菓子の棚の前で駄々こねてるみたい。かわいい。

舞台映像verのプロモーション映像に映っていたのは①と②だけでした。
声は②に成長してから。
③は公式Instagramのアフタートーク映像の最後、カーテンコール場面が映っているのでそちらでちらっと見られます。大きさが分かる。


②の形態まで育って喋りだすと、オードリーⅡの魅力に溢れた個性がどどーん!と表れます。
もう、一人称『我輩』な時点でノックアウト。
閣下の声で一人称『我輩』、狙い過ぎだと思うのにあまりにも似合っていてずるい。オードリーⅡの一人称は我輩以外考えられない!と思ってしまう程。
ベースはやや低めで響きがあって、なおかつ少し高めに掠れるオードリーⅡボイス。台詞部分でも声に結構高低差があって表情豊か。割りと同情ひくようなことも言うし、唆すのもお手のもの。
閣下という偉大な悪魔の声帯をもつ悪魔の植物(のような地球外生命体)、それがオードリーⅡ。

台詞回しも好きです。これは掛け合いの間をコントロールしているであろうスタッフさんの功績も大きいかも。でもねえ、1センテンスの中での呼吸というか、区切り方が大変に私の好みなんです。
一番好きなのは、ムシュニクを食べてから一週間何も食べてない、食べさせろ!とシーモアと言い合いになり、ローストビーフで我慢しろ!とキレたシーモアへの返し「確かに、なにもないよりは、よい」です。すき!!!!!読点のような間延びのような、絶妙な間!刺さる!すき!!!!!!!(落ち着け)
しぶしぶ+ちょっと拗ねてる感が可愛いと思います。
ここだけではなく、とにかくなんだか台詞の言い方が可愛い。ちょっとワガママなんだけど憐れっぽく言ったり、媚びるような口調で唆したり。なるほど悪魔とは魅力的なものなのですね…


歌は、閣下なので当然ながら大変素晴らしいです。
『Get it』と『Suppertime』の2曲だけですが、名曲揃いのナンバーの中でも印象に残るし、歌詞が好きで。訳詞とてもいいです。
オードリーを騙して食べようとするところの歌詞、『お口に注いで~♪』ですよ、お口!おくちって言った!?また可愛い子ぶって!と大変ツボに刺さりました。


私はオードリーⅡがとても好きで、腹を減らして「くいものだ!食い物を寄越せ!ヒトの血と肉を食わせろ!」とシーモアを困らせているところですら、なんか可愛いと思っていた重度ぶり。
でもこれは③ver.のオードリーⅡが首(茎)しか動かなかったからです。映画のように蔓や根が腕のように動いていたら怖いと思っただろうと思います。
②ver.では根を動かしていたのですから本来は動くものなのでしょうけれど、③ver.の根は全く動かない。
つまり、今回の舞台のオードリーⅡは口の届く範囲でしか直接の脅威はなく、騙したり唆したりして口に入れさせてやっとヒトを餌にできる。
実は逃げるのは容易ですよね、側に行かなければいいのですから。

だから、本当に怖いのはオードリーⅡではなくて……